ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.103 )
爆発により発生した煙は取り払われ、その中から男が現れる。
「どうした?届いていないぞ。」
男は双戟に雷を纏わせプラズマ砲を防いでいた。
「初激を防いだくらいで調子に乗るなよ?次は本気で貴様を殺すぞ。」
セールは再びプラズマ砲を放つ構えを取る。
「あまり強い言葉を遣うなよ・・・・弱く見えるぞ。」
男はそう言うと双戟に雷を纏わせたままセールに向かって突っ走る。
「馬鹿が。距離を縮めれば当たった時の威力が上がる。食らえ。」
セールがプラズマ砲を放つが俺はそれを双戟で切り裂く。
「何!?」
「迅雷脚」
男は長い脚と双戟を回転させてセールに攻撃した。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.113 )
男の双戟はセールの左腕と胴体を捉え、雷を纏った斬撃がセールの体に深く入った。セールの左腕は切断され、胴体には大きく深い傷が真一文字に刻まれた。
「なん・・・だと・・・!?」
しかし男が見たものは人間の体から噴き出る血潮ではなく、機械が破壊された時に発するプラズマである。
「ほう・・・この俺の攻撃を防ぎ更にこの俺にこんなダメージを与えるとは、中々やるな。」
セールは平気な表情で立ったまま、破壊された体の部分を再生させた。機械のような体の傷がビリビリと音を立てながら塞がった。
「化け物め・・・!」
「心外だな。これが俺の能力(ちから)だ。今度はこっちから行くぞ。」
セールは修復した左腕を変形させてエンジンカッターを出した。
「俺は近接も遠距離も出来る。これで相手をしてやる。」
セールはそう言うとエンジンカッターで男に斬りかかる。男はそれを双戟で受け止める。
「・・・推して参る」
男の周りに水色と紫色のオーラが現れる。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.114 )
男は双戟でエンジンカッターを受け止めながら覚醒でもしたかのようなオーラを放つ。回転するエンジンカッターが双戟とぶつかり続け金属音を響かせる。
オーラを放ったまま男のパワーが急に上昇しセールを押し飛ばす。
「何・・・!」
押し飛ばされたセールに向かって双戟を振り回して回転させ、雷が竜巻のように渦巻いて突進していく。
男はセールにそのまま斬りかかる。
「ぬん!」
セールも魔力によりパワーを上昇させるが男の乱舞のパワーに圧倒され、エンジンカッターは叩き割られ、体を深く斬りつけられる。
「まだだ」
男はそのまま何度もセールの体に双戟を振り下ろし、深い傷を次々とつけていく。
「舐めるな小僧!」
セールは右腕を変形させ、火炎放射器を出す。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.115 )
「!」
男は火炎放射器を破壊しようと斬りつけるが、火炎が放出されるのが先だった。
「燃え散れ・・・」
とてつもない威力の業火が広範囲を焼き尽くす。
「グオオオォォォォォ!」
男は業火の威力と温度にダメージを負いながらも雷を纏わせた双戟で振り払う。
「迅雷斬!」
双戟を交差させながら振り下ろし、クロス状の雷の斬撃が発生、それはセールが反応するまでもなくセールに直撃した。
「速い・・・!」
しかしセールは能力により傷を修復する。
「このままじゃ埒が明かないな。奴は何をすれば死ぬ・・・?」
男は構えの姿勢を取り逡巡する。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.116 )
「はぁぁぁぁ!」
男は怒声と共に今までにないオーラと雷を周囲に発生させる。双戟にはかつてない量と色の雷が纏われている。
(高威力の攻撃で一気にカタをつける・・・!)
男は双戟の先に雷を集中してそろ雷をセールに向けて放出する。
広い闘技場全体を巻き込む攻撃である。闘技場の向こうの観戦席との間には対超高魔力の特殊なガラスで隔てられているが、そのガラスでさえ感電している。(性質とかは筆者は知らないので、そこらへんは魔力とかで各々補完してくれ。)
(こいつ、遠距離攻撃も出来たのか!)
セールはプラズマ砲で応戦するがそれは簡単に破られ、セールの体は数億ボルトの電流で感電する。
(奴の能力は体の謎の機械化。それもかなり対魔力と防御力、再生力に優れている、ならば高威力の電流で感電させ仕留める!)
男は双戟の先から雷をセールに向けて流し続ける。セールの低い悲鳴が響き渡る。流石にこれには応えたようである。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.117 )
上は空洞となっている闘技場から、男が放出している雷が遥か天空まで伸びて周囲の天候を変える。雷雲が辺りに発生し、雷が一斉にセールに向かって落とされる。
「終わりだ、くたばれ」
「ウオオオオオオオオオオオオオ!」
セールの体は感電し侵食され、ついに心臓部分と思われるチップが頭部から露出する。
「そこが弱点か・・・!なら・・・」
「いざ!」
男はセールに向かって突っ込み露出したチップへ斬りかかる。
(終わりだ!)
双戟はチップを確実に捉えた。しかし・・・
「なん・・・だと・・・」
チップは高威力の雷を帯びた男の直接攻撃に、ヒビ一つ入らなかった。
「舐めるなよ小僧」
男は目を見開き、男の首を掴んで持ち上げた。男の強い魔力により放たれた雷に感電していた体は、強い魔力により振り払われた。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.119 )
「ぐぬぅ・・・ぐぁぁぁ!」
男は首を強く掴まれ持ち上げられ苦しんでいる。
「確かに貴様は今まで見てきた能力者の中では一番強いかもしれん。」
「だが、強い魔力を一気に放出すれば魔力を大きく消耗するのは自明の理・・・お前にもう魔力はあまり残っていない。そんな攻撃、俺の魔力で振り払うのは難しいことではない。」
「お前は良く戦った。だがこれまでだ。上官に刃向えばどうなるか、今貴様の身をもって見せしめとする。」
セールの右腕が変形し、プラズマ砲の充填が始まる。プラズマがセールの右腕が変形した砲口に徐々に集まり、徐々に大きくなっていく。
「最大威力のプラズマ砲だ。これを零距離から受けて生き延びるのは不可能だろう。苦しいか?安心しろ。すぐ楽にしてやる。」
「う・・・ぐ・・がぁぁぁ!」
男が悲鳴を上げる中、セールの右腕から巨大なプラズマ砲が放たれた。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.120 )
プラズマ砲は男を呑みこみ、対超魔力で出来ている強化された闘技場の壁の一部を破壊し、巨大な爆発を起こした。
「・・・今度こそ決まったな。」
戦いを眺めている水素は隣に居るタコスにも聞こえるように呟く。
「ああ。でも勿体ないな。あの男がゴブリン戦に参加すれば最強の戦力と成り得ただろうに。」
タコスは水素の呟きに応える。
「だが、軍というのは規律と統制が重要だ。いかに戦力になる実力を秘めていても規律を軽んじるような者を許しておけば軍全体の士気や統制に関わる。それは貴重な戦力を失うことより痛いことだ。」
タコスはこう続けた。
「あの男も素直にセール大佐に従っていれば良かったものを・・・馬鹿な奴だな。」
爆発により起こったプラズマ砲のエネルギーがまだ場内に残っている。
「惜しい奴を殺したが、これも軍の仕来りだ。致し方あるまい。」
セールはその場を後にしようとさっきまで向いていた正面に背中を向けて歩き出した。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.123 )
「!?」
セールは異変に気付いた。後ろの方から超濃度の魔力反応を感じたのである。爆発により見えなくなっている後方から魔力の強力な本流が周囲に流れ、辺りを重力感に包んでいる。
「まさかこれは・・・!?」
セールが後ろを振り返ると同時に爆発によるプラズマが振り払われる。
「勝ったつもりか・・・?こんなもんで、この俺によぉぉぉ!」
男は、生きていた。さっきよりも強力な魔力を感じさせながら。プラズマ砲によるダメージで満身創痍になりながらも二本の足で立ち、双戟を構えている。
「馬鹿な!あれをゼロ距離で食らって生きている筈が・・・!」
セールは相手の生命力と魔力に驚愕する。
「ぶっ殺してやる・・・!」
男はそう言い放つとさっきより数倍も強力な電流を作り出し、全身に纏い、そのままセール目掛けて駆ける。
「まだこんな魔力が残っていたとはな。いいだろう、ならば迎え撃つまで!」
セールは左腕をエンジンカッターに変形させ、そこにありったけの魔力を注ぎ込む。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.124 )
「あの男、大佐のプラズマ砲を至近距離から受けて生きているだと・・・!?」
観戦席。水素はあまりの事態に無意識に席を立ち、拳を握りしめる。
「なんなんだあいつ・・・化け物か」
タコスもそれを凝視している。
「だが、お互いもう長くは戦えない、この一撃で恐らく決着がつくでしょう。」
横に居た新人のフクナガが観戦席で初めて口を開く。
「大佐、どうかご無事で・・・」
水素もタコスもただセールの無事を祈ることしか考えられなくなっていた。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
激しい怒気と雷を纏い双激を振り下ろす黒服の男。
「うおおおぉぉぉぉ!!!!」
魔力を纏い迎え撃つセール。
二人は・・・
衝突した。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.125 )
互いの強力な魔力と男の雷がぶつかり合い、激しい音を立てて破裂する。闘技場の上の空洞からそれが漏れ、遥か天空、そして広範囲に広がり雲をも掻き消す。
「どうなった!?」
水素は思わず大声で叫ぶ。もしセール敗れて死ぬようなことがあればこの部隊は・・・と不安が過る。
「大丈夫だ。セール大佐を信じろ。」
横からタコスが水素の肩に手を置く。
「もう限界だ!」
水素はその手を振り払い駆け足でその場を去ろうとする。
「何処に行くんだ?」
タコスは水素の腕を掴み制止する。
「場内に決まってんだろ!もしものことがあれば・・・俺はあの男を殺す!」
「落ち着け!セール大佐があんな新人にやられるわけねえだろ!」
「だが!」
「二人とも、戦いが終わったようですよ。」
横からフクナガが言う。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.127 )
破裂した魔力のオーラが晴れ、激しくぶつかり合った男がすれ違い互いに正面を向いて背中を向けあっている。
「俺は・・・こんな所でやられるわけには・・・己、軍神の名は伊達ではない・・・ようだな・・・」
ドォッ!と何かが倒れる音がする。倒れたのは黒服の男である。
「大佐が・・・勝ったのか!?」
それを見て水素は興奮し拳を握りしめ叫びたい衝動に駆られた。
「いや・・・」
しかしタコスは険しい顔つきで状況を見ている。
「やるな・・・新人」
セールはフラつくが体勢を立て直し、倒れた男の方へ歩み寄る。
「とどめだ。」
セールは男の間近まで来るとエンジンカッターを出し、男に向ける。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.128 )
(くそ!此処で終わりかよ!俺はまだ死ぬわけにはいかねぇんだ!俺はまだ俺を馬鹿にしてきた連中を見返してねえ!まだ死にたくねえ!)
男は虫の息で心の中で叫んだ。すると何やら低い不気味な声が男に話しかける。
「力が・・・欲しいか?」
「誰だ!」
男は暗闇の中で立っている。
「此処は・・・確か俺はあのデカブツにとどめを刺されそうになって倒れている筈では」
「此処はお前の世界とでも言うべきか。俺は雷神、お前の中に巣食う真の力を形にした存在。」
雷神と名乗った低い声の主が姿を現す。その姿は昔の書物に出てくるような雷神そのものの姿あった。
「今一度問う、力が欲しいか?」
「あぁ。あの男を倒す力を、俺を見下す連中を葬り去る力を寄越せ!」
男は強い声で答える。
「ならばその力をお前にやろう。だがお前はこの力をまだ自ら制御出来ない。お前の精神を一時侵すことになる。」
「構わねえ、今はあのデカブツをぶっ殺す!それだけだ!」
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.129 )
「良く言った。お前に力を授ける。せいぜい頑張れよ。」
雷神はそう言うと姿を消した。
ーーーーーーー現実世界ーーーーーーー
「冥途の土産に教えてやろう、小僧」
セールがエンジンカッターを搭載した左腕を振り上げながら呟く。
「お前は魔力だけで言えば大したものだ。この世に二つとない強力な能力者だろう。だが、素の、お前自身の力は話にならない。俺にはその双戟を振るうお前が激しく息切れしているのが見え、聞こえた。その貧弱な筋力と体力、お前は所詮天から与えられたものに慢心し、自らが真の強者だと錯覚した勘違い野郎だ。」
しかし、男からの返事は無い。
「もう言葉を発することすらままならぬか。此処で息の根を止めてやる。」
セールが振り上げていたエンジンカッターを振り下ろす。
しかし男の体を切り刻む前に、エンジンカッターは男の体から発せられる強力な魔力により寸前で防がれた。
「何・・・?こいつ、まだ・・・!」
セールが動揺したその瞬間、セールの体が真っ二つに切断された。一瞬の出来事で、何が起こったかすぐには判断がつかなかった。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.136 )
まだ何も言ってないんだがな
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.137 )
これまでのあらすじ
ポケガイ住民で九州地方福岡県の住民、主人公・水素は他の住民とオフ会中、謎の巨人の襲撃を受ける。ほうほうの体で逃げ帰るが家は瓦礫の山となり、家族や恋人を巨人により殺される。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.142 )
「グッ・・・アァァァ・・・」
体を切断され低く呻くセール。しかし黒服の男は容赦なく更に攻撃を加える。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
言葉にならない叫びを挙げ、セールの頑丈な頭部を双戟で叩き割らんと狂ったように何度も斬りつける。
闘技場の上空、更には対魔力超強度の壁すら魔力と雷が貫通し漏れる。対超魔力の強化ガラスも割られ、水素達は後方へ避難する。
セールを斬りつけている男の形相は凄まじいものだった。目は稲妻でビリビリと光続け瞳は無く、体全体が雷神の雷の衣に包まれ奇声を発している。もはや理性を持った人間など無い。
「小僧・・・貴様まだこんな力を残していたのか!」
そんなセールの言葉など男の耳には届かない。双戟によりついに頭部が叩き割られ、チップが露出する。
セールは切断された体を修復しようとするがあまりの破壊力に再生が追いつかない。
「ガァァァァァァァ!!!!」
男は本能のまま戟を持った右腕をチップに振り下ろす。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.143 )
戟はセールの頑丈なチップを一撃叩き割った。男の狂乱状態は解除されず、奇声による雄叫びを発し続ける。
「生命の危機を感知。これより緊急セーフティを解除し、T−Xモードに移行します。」
後方に避難した水素達にも聞こえるくらい大きな声がセールの体から発せられる。
「セール大佐、そんな・・・!」
セールの無惨な姿を見て絶望する水素。
「いや、大佐にもまだ何かあるようだ。今何か聞こえただろう?」
タコスが横から言う。
「でもまずいぞ。これは最早単なる能力者同士のバトルじゃない。これ以上はシャレにならない。」
「だからって俺達の力で止められないだろ!」
「闘技場に設置された対魔力制御装置はどうした!」
「とっくにあの二人の戦いで壊されてるよ。」
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.144 )
突然セールの体から謎の声が発せられ、セールの体と頭部が瞬間再生される。更に目がバチバチと鳴り赤くなり、超高密度の魔力のオーラを放つ。
「前方に目標を確認。対象を排除します。」
まるで何かに操られているかの如く、セールは立ち上がり右腕を変形させる。右腕の砲口からロケットランチャーが現れ、黒服の男に向かって発射された。
「ガアアアアアア!」
奇声を発しロケットランチャーを双戟で斬り裂き周囲に大爆発が起こりそれが目くらましになる。
男は奇声を発しながら男に斬りかかるとセールの右腕が剣に変化しそれを受け止める。暫くの鍔迫り合いの後、男とセールは一旦間合いを取り再び剣戟が始まる。
男が狂ったように双戟を振るい打ちこむ。セールも負けじと対抗し凄まじい白兵戦が繰り広げられる。互いの攻撃が互いの体に数発ずつ命中し互いに傷を無数に増やす。
超濃度の魔力同士のぶつかり合いで水素達からは最早何も見えない。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.146 )
「このままじゃ基地、いや下手したら半径数100キロレベルでヤバいぞ。この基地は元々高ランクの能力者やゴブリンによる攻撃にも耐えられるようになってるがあの二人はそれを上回っている。そしてお互い理性を無くして獣になっている。」
タコスが冷や汗をかいている。
「魔力制御装置の復旧はまだか!」
水素が近くに居た下っ端兵士に聞くが
「申し訳ありません。あれではもう・・・」
「くそ、どうすんだよこれ・・・手がつけられねえ・・・。」
そんな水素達の心配も余所に二人は戦闘マシーンとなり、狂い殺し合う。
セールの右腕から特大のプラズマ砲が放出されるが男はそれを素手で抑え、ついにその魔力反応で闘技場を覆っていた壁は一瞬にして消し飛んだ。
闘技場が破壊されてもお構いなく戦闘を続ける二人。男は双激を持ちながら体を素早く回転させて巨大な斬撃を作り出しセールを斬り裂く。セールの体はすぐに修復され火炎放射を放出し基地の広範囲を焼き尽くす。
「まずい、ここに居たら俺達までやられるぞ!退避だ!」
タコスの指示で新人達は基地の奥まで避難する。
Re: ポケガイ小説版「進撃のゴブリン」( No.147 )
「対象の破壊を迅速に行うべく、これより最大出力による攻撃を行います。」
女のような機械音が発せられるとセールの右腕に今まで見たことも無いようなプラズマ粒子が集まる。
男もそれに反応しこれまでよりずっと大きな雷を二つの戟と体から放出する。対超魔力で出来た周囲の基地施設が次々と破壊される。
「ガァァァァァ!」
「プラズマ砲、発射します。」
男の雄叫びとセールの中の声が発せられるのが同時だった。
雷の巨大なエネルギー同士がぶつかり合い、基地の広範囲を巻き込む。
激しい光に包まれ、何が起きているのか視認不可能になり、水素達はただ見ていることしかできなかった。
「基地がこんなに・・・」
「もういい加減にしてくれ・・・」
下っ端兵士でさえセールに不満を漏らした。